約 2,012,209 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/9925.html
和「えっと……これでいいんですか?」 京太郎「おお……なんというか、やっぱりすげぇな和……メイド服が滅茶苦茶似合うわ」 和「須賀君がこういうものを持ってることに驚いてますが……縫製もしっかりしてますし、ホワイトプリムもあって…安物じゃないんですよね?」 京太郎「あぁ、ハギヨシさんに貰ったんだ。モンブチのメイドさんたちにも配られるらしいんだけどさ、多く作りすぎたから…ってさ」 和「……あぁ、そういうことですか。でも龍門渕の方々のサイズなのに胸に余裕がありますね…?」 京太郎「あそこも人によって結構差があるらしいから、どちらにも合わせられるようにって作ったらしいぜ」 和「そういうことも出来るんですね…」 京太郎「和ってそういうの好きだろ?」 和「そうですね……。……好きです」 京太郎「タメがあると勘違いしそうになるなwwww」 和「勘違いじゃないです…よ…?」 京太郎「……え?」 和「………」 京太郎「……和?」 和「私を…須賀君だけのメイドにしてくれるって、須賀君のメイドとして御奉仕しろって、そういうことですよね?」 京太郎「………好きですっ…て…」 和「……私は言いましたよ?…須賀君も、教えてください?私の御主人様になってくれますか?」 京太郎「あの……その、だな」 和「はい」 京太郎「俺だけのメイドになって…ほしい」 和「はいっ♪」
https://w.atwiki.jp/daydawn/pages/468.html
時刻楓(ときざみ かえで/Tokizami Kaede) 年齢:2○歳 職業:専業主婦 性別:女性 メイン:戦士 サブ:探索 エクストラ:悪魔使い 追加サブ:竜装術士 種族:幻想種(狼の変化) コミュニティ:十四夜会 身長 180cm 体重:55kg PL名:比那名居の人 「やれやれ……こうも子供が多いと困ってしまうな。こら、槐。そんなところに登るな。……お前も何か言ってやってくれ、時計。」 外見 薄桃色の髪と赤い瞳の長身の女性。 目付きは悪く、口も良くはない。いつも棒付き飴を咥えている。 露出の多い服装をしているが時刻時計以外が触ろうとすると底冷えするような声で脅される。 普通の未来 十四夜会脱退後、時刻時計と共に一度鬼灯市から離れていった。 その後目的を果たして戻ると、そのまま定住。 時刻時計と共に仲睦まじい夫婦生活を送ることになる。 もっとも、子供の数が多すぎて苦労することも多いようではあるが。 +街角インタビュー 私の夫、か。 可愛い奴だよ、見た目はな。中身はまぁ獣だ。 歳の差はそんなに無いよ。5歳差だ。私の方が年上ではある。 ん、不満か?特にはない。 そもそも子供の世話と営みとで不満を感じる暇がないさ。 何より、共に在る。それだけで私は満足だよ。 やってほしいこと、か…… いや、それも特にないな。大体のことはやったしな。 残っているのは…… ###規制### うん?あぁ、また別の質問か。 出会いのきっかけ?そうだな、私も時計も魔法使いでな。 その依頼で……何度か一緒しているうちに、といったところか。 最初は何やら落ち込んでるのを励ましに行っただけのつもりが、いつの間にか逆転していたな。 まぁ、その出会いにはまた別の人間が絡んできたりするのだが。 なんだ、まだあるのか……ん、最後に一言? 取材するのは構わんがナンパするような止め方はやめてくれ、思わず殴るところだった。 ……違う?あぁ、夫に一言? ふむ。といっても今更時計にいうことなど……まぁ特別な一言である必要はないか。 『愛しているぞ、時計。世界中の誰より、いや、世界よりもな。』 ―お蔵入りになったテープより +過去のキャラページ 「……あまりジロジロ見るな、そういうのはもう辞めたんだ。」 時を刻む守護者 年齢 19歳 性別 女性 種族 幻想種(狼) クラス 戦士/探索者/悪魔使い 身長/体重 180cm/55kg 3サイズ 108/73/97(Hカップ) コミュニティ 十四夜会 PL名 比那名居の人(@hinanai_no_hito) 外見 薄桃色の髪と赤い瞳をした狼の幻想種。 いつも露出の高い服装を着ている。魅せつける目的ではなく、本人の体温が高く暑いため。 涼しい場所を好む。反面、暑い場所はとにかく嫌い。 アガシオン(使い魔)を連れている。いつもは人形になっているが、たまに本気モードで現れることもある。 人格 妹の事以外は流れに身を任せるタイプ。妹に関連する事には全力を尽くす。 その関連でどんなに気が乗らない依頼でも受ける。自身の体や精神にダメージを負う羽目になるとしても。 自身の事に関心がない。悪魔(悪神)との契約で自身の全てを捨てたと考えていた。 現在は考えを改め、妹や恋人のために生きる決意をしている。 その傍らで、根本にある"護る"という気持ちが強まっている。 もし妹や恋人が外的によって死に瀕するなら、自身の身を砕け散らせてでも守る覚悟がある。 出生・来歴 幻想種の間に生まれた姉妹の姉。幼少期に誘拐され、親が見捨てたため誘拐犯に育てられた。親の顔も何も覚えてすらいない。 10歳の頃に誘拐犯のグループが仲違いを起こし、誘拐犯が死亡。その仲間に口封じの為に姉妹共々連れ去られた。 誘拐犯の仲間の欲望のはけ口になりながら1年妹を守り続け、誘惑してきた悪神「タローマティ」と契約し、誘拐犯の仲間を殺害。 警察に出頭するも経緯から正当防衛とみなされて不問。 その後は得た力を使ってまっとうに日銭を稼いでいたが、妹をまともな住居・学校に通わせる為に探索や戦闘のある危険な道へ踏み入れた。 しばらく色々な場所を転々としてきたが、つい最近たまたま異界の調査で鉢合わせた御剣個人探偵事務所の面々とコネクションを持った。 そのまま御剣家から十四夜会へ推薦、十四夜会に名を連ねるようになった。 なお、住処は転々としている模様。一夜限りの男の家や宿泊施設を利用している。妹はあるマンションの一室を借りて学校に通っている。 交友関係 ●時刻時計 「まぁ、なんだ。私の恋人だ。どうやら、独占欲が強いらしい。」 +... 「もう絶対に私を置いていくなよ。居なくなったら許さん。」 ○花之木倫太郎 「弟のようで兄のような……まぁ、よく分からない奴だ。」 ○玲卯月 遥 「何度も助けてもらったな。いつか返さねば。」 ○哥津己駆梨 「とても良い"人間"だ。また共に依頼をする時は、ぜひとも頼らせてもらおう。」 ●風結樹 紫音 「何かを抱えているみたいだな。今は守られているが、必ず守ってみせる。だから、安心しろ。」 ○早瀬零夜 「人間らしい人間だな。歳相応とも言うのかも知れないが。」 ○マギナ 「とても紳士的な騎士だ。家族と分かり合える日が来ることを願っているよ。」 ●玲卯月遥 「よく守られていた。アイツには叶う気がしないな、良き戦士だ。」 ●玲卯月嶺 「迷惑をかけてしまったな……」 ●姫神久々利 「良い奴ではあるが……少し、理想が過ぎるな。」 ●地蔵山 龍慈 「優しい奴だ。優しすぎる……が、ちゃんと分かっている奴だな。優しいお前も私が守ってやろう。」 ●雨月・傍 「悲しい過去に縛られていた奴だ。……ちゃんと前を見て、また歩き出せるようになってほしいものだな。それまでは、守るさ。」 ●夜鷹滝石丸 「やかましい。」 ●伝法エソラ 「常識的な奴で、同い年だ。面白いやつでもある。一緒に居て退屈はしないな。」 ●鑢ヶ縁 「なんだアレは。……いや、時計の友人らしいし、理解できるように務め……務められたら良いな……」 ●相羽慶 「とても常識的な良い人間だった。また依頼を共にしたいな。」 ●衣川小町 (ドラマシーン次第) PickUp 前衛で高命中攻撃を繰り出す(予定)硬さを活かして体でカバーする(予定) ……お金と経験点たまったら頑張ります。
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/261.html
橘「藤原さんってぜんぜん未来人らしくないですよね。」 佐々木「そうだね。ただの人って感じだね。」 九曜「―――ポン―」 藤原「な。貴様ら僕が未来人である証拠を見せろというのか?」 橘「平たく言えば」 佐々木「そうだね。」 藤原「ふっふっふ。ならば見るがいい!エフシィ~シィ~!」 橘「FCC?っていうか、なんですかそのわざとらしいだみ声。」 藤原「いや、この現地時間では未来道具を出すときはこう発音するのが正式と聞いてだな。」 佐々木「FCC?面心立方格子?」 藤原「いや、そんなマニアックなボケはいらないから。ふふん、これはだな―」 九曜「FCC。フラグ・クラッシュ・キャンセラーの略。」 藤原「…そうだ。そして、その効果は―」 九曜「いかなるフラグクラッシャーでもこの道具の効果の続いている間はフラクラできない。つまり、この道具の効果がある間にフラグを立てれば、彼はあなたのもの。」 橘「すごーい!でも、なんで今までそんなものを出し惜しみして?」 藤原「いや、解説してるの僕だから。九曜さんの方向かれても。まぁ、いい。このFCCの恐るべき弱点とは―」 九曜「FCCを発動させてから効果が現れる時間が読めない。つまり、効果が現れたときに第三者がフラグを立ててしまった場合取り返しがつかない事態になる。諸刃の剣。」 藤原「・・・そうです。っていうか、九曜さんえらく活舌よくないですか?僕の気のせいですか?」 九曜「―――あなたの―気のせい―」 藤原「・・・・・・」 橘「でも、これを発動してからひたすら第三者の付け入るすきもなく彼に張り付いてフラグを立てまくれば、我々の勝利ですよ!」 佐々木「・・・よし、作戦開始。」 ~そして~ キョン「で、急に呼び出してどうしたんだ、佐々木?」 佐々木「いや、少しキミに相談したいことがあってね。」 そして、それを物陰から見守る三重苦トリオ。 橘(今です。FCC発動!) 藤原(いや、道具出したの僕なのになんであんたが仕切って―) 九曜(うるさい。) 藤原(・・・) 佐々木「実は、今の高校を辞めようかと思っているのだ。」 キョン「なんだって?」 佐々木「あぁ。でも勘違いしないでくれたまえ。高校へ行かないわけではない。高校を変えようと思っているのだ。」 キョン「そうか。お前でも悩んでいるんだな。」 佐々木「あぁ、そこでキミのいる北高へ僕は行きたいと考えているのだが・・・」 橘(よしっ!フラグが立った) キョン「でも、うちの高校はお前の学力レベルには合わないぜ?市立のほうがいいんじゃないか?」 佐々木「・・・・・・」 橘(くっ、フラクラ!) 九曜(―まだ――効果が―現れてないみたいね――ちっ、使えない道具を出しやがって) 藤原(九曜さん、今何か) 九曜(――――――――) 藤原(・・・) 佐々木「学力のほうなら心配しないでくれたまえ。また、予備校にでも行けば補える。それに、またキミの自転車の後ろに乗って一緒に予備校に通いたいんだ。」 橘(佐々木さん。めげずにまたフラグを!) キョン「いやー、放課後は部活をしないとあいつがうるさいし、それに勉強ならあいつに見てもらって成績はあがっているからなー。俺は予備校行く必要はないな。」 佐々木「・・・そ、そうかい。(涼宮さんにあんなこと言うんじゃなかった・・・)」 橘(あー、見事なフラクラ!) 九曜(―まだ―彼のフラクラは―――キャンセルされていない――自信満々で道具出した割にはぜんぜん使えねえ。くそ未来人) 藤原(いや、だから九曜さん―) 九曜(―――――――――) 藤原(・・・) ピロリピロリ キョン「ん?ちょっと失礼。ん、あぁ。え、今から?マジかよ。わかったよ、うるせえな。」 佐々木「・・・・・・どうしたんだい?」 キョン「ちょっとハルヒの奴から今すぐ来いっていう呼び出しがかかってしまった。実は、あいつらと3時から会う約束してたんだ。悪いけど、俺行くわ。話ならまたでいいか?」 佐々木「は、はは・・・いや、急に会いたいなんていった僕が悪かったんだ。気にしないでくれたまえ・・・」 橘(げー!最悪の展開なのです。この状態で涼宮団に会えば、間違いなくその中の誰かがフラグを立ててしまうのです!) 九曜(このままだと――フラグを立てる確率は――涼宮ハルヒ30%、朝比奈みくる20%,長門有希20%、古泉一樹30%――) 橘(なんで古泉確率が30%も!?) 藤原(ウホッ?) 九曜(古泉――は―――今日勝負に出る模様) 橘(なんの勝負ですか・・・) 九曜(―大ピンチ―――ね―ちっ、使えないだけじゃなく、余計な手間までかけさせやがってくそ未来人が) 藤原(もう、何とでも言ってください・・・) 橘(ここで彼を行かせるわけには行きません!) キョン「じゃあな、佐々木。俺の分の支払いはここに置いとくわ。」 佐々木「ふふ、はは・・・そうかい・・・」 キョン「悩んでるのはわかるけど、元気出せよ。」 佐々木(終わった。見事にアシストして終わった。オウンゴール・・・) 橘「待つのです!」 キョン「橘?」 佐々木「橘さん?」 橘「佐々木さんの話を聞くのです!っていうか聞いてあげてください!」 キョン「また、お前らの小細工か。悪いがお前らに協力する意思など微塵もない。退いてくれ。」 橘「退かないのです!」 九曜(橘京子はあんなにがんばっているのに。言いだしっぺはここでぼけーっと傍観者とはね) 藤原(九曜さん、なんで俺のときだけ活舌いいんですか。) キョン「悪いが、俺は聞く耳持たん。じゃあな。」 橘「ああー、待ってください。」 キョン「ちょ、お前引っ張るな・・・」 橘「いやです。意地でもあの女の元には行かせないのです。・・・って、あ!」 キョン「うわ!」 バタッ! 佐々木「キョン、橘さん大丈夫・・・って!?」 藤原(げ、こ、これは!) 九曜(倒れる拍子にキョンが橘の上に重なって二人がキス。なんというベタな展開。しかも橘京子はファーストキス。そして、フラグクラッシュキャンセラー発・動!) 佐々木・藤原「な、なんだってー!」 キョン「いてて。おい、橘大丈夫か?って、橘?」 橘「う、うぅ。初めてだったのに・・・」 藤原(な、泣いた!?) 九曜(完璧―な――フラグ立てね) キョン「いや、すまん。今のは事故で・・・っていうか、お前頭から血が出てるぞ!」 橘「え?あぁ、転んだ拍子に少し切っちゃったみたい・・・」 キョン「この近くに病院がある。救急車を呼ぶよりもその方が早い。行くぞ。」 橘「え、あのちょ・・・」 佐々木・藤原「げぇーーー!お姫様抱っこ!?」 九曜(フラグクラッシュキャンセラーは発動してしまった。もう誰にも止められない。) 橘「え、あの、歩けますから。その・・・」 キョン「頭を打っているんだ。動かないほうがいい。とにかく急いで病院へ行こう。」 橘「・・・はい。」 佐々木「頬を赤らめて!」 藤原「はい、だとぉおおおお!」 九曜(一度たってしまったフラグはもう誰にも折ることは出来ない!それがFCCの能力!) 佐々木「ちょっと、待ってくれ、私も―」 ガシッ 「お客様、お支払いがまだです。」 佐々木「なっ。」 藤原「お姫様抱っこしたままものすごいスピードで走り去ってしまった・・・」 九曜「もう――彼らを止めることは――誰にも出来ない」 佐々木「そ、そんな・・・」 藤原「・・・」 ガシッ 九曜「おい、何こっそり逃げようとしてやがんだ、未来人。」 藤原「いや、あの、そろそろ実家のみかん狩りを手伝いに行かなきゃ・・・」 佐々木「・・・・・・藤原。カムヒア。」 藤原「ちょっと、佐々木さん目が怖いですよ、いやちょっと、あの、やめてーーーー!」 九曜(フラグクラッシュキャンセラー。一度たった死亡フラグも二度と折られることはない・・・) 『フラグ・クラッシュ・キャンセラー』
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/763.html
xQBjS7i30・dnWRNKRY0及び0nfbSjd60氏の作品 ※取り敢えずまだ親しくない、また、朝比奈さん(みちる)等の表記があったため、柊(姉)(妹)との表記にしました。 取り敢えず需要があったらまた書きます。 古泉「さて……お察しの通りですがこの頃閉鎖空間が今までとは比べものにならない頻度で出現しています」 キョン「そんなものは察したくもなかったがな」 古泉「原因は何かは勿論貴方も理解しているでしょう?」 キョン「あぁ、だが、ハルヒが苛つくことなんてあったか?泉とかが来て寧ろ楽しそうに見えるんだが」 古泉「それが問題なんですよ、貴方には分かりませんか?」 キョン「分かりたくもないぞ」 古泉「簡単に言えば、貴方に好意を持っている女性がいるんです。その人を切っ掛けとして皆が貴方に好意を持っていることを認識し始めたんですよ」 キョン「……誰がだ?」 古泉「貴方の身の回りにいる女性の大半と言って良いでしょう」 キョン「ちょっと待て、いきなりそんな事を言われても困る」 古泉「そう悠長なことも言っていられません。閉鎖空間は規模、出現回数、共に増え続けています。何かしらの対策を打たないといけないんです」 キョン「一体どうしろって言うんだ?俺に何が出来るんだよ」 古泉「そうですね……貴方が涼宮さんとつきあって下さるのが順当なんですが……」 キョン「断る」 古泉「そう言うでしょうね。ですから、1ヶ月の時間を与えます。その間に涼宮さんでなくても構いません。誰かとつきあって下さい」 キョン「……色々突っ込みたいことがあるがそれは良い。だがな、もし俺がハルヒ以外の奴に告白したらどうなる?またハルヒがとんでもな力を使って世界を作り替えるんじゃないか?」 古泉「えぇ、いざとなったら長門さん達に頼んで涼宮さんの力を長門さんに移し替えれば大丈夫でしょう」 キョン「だからいきなりそんな事を言われてもだな」 古泉「話は伝えました。1ヶ月の猶予を与えたのですから、無駄に使わないことです」 ……そう言うと古泉は部室から去っていった。 全く、いきなりそんな事を言われても混乱すると言うことに古泉はいつ気付くのだろうか? 俺はこれからのことに悩みながら部室を後にするのだった。 キョン「……と言う話を聞いたんだが本当なのか、長門?」 長門「確かに涼宮ハルヒは貴方に対して貴方達が言っている恋愛感情を有していると思われる」 キョン「長門が言うからには……間違いないんだろうな」 長門「ない」 キョン「じゃあ、泉や柊姉妹や高良さんもそうなのか?」 長門「涼宮ハルヒよりも明確ではない。だが、そうなる可能性を秘めている」 キョン「まるで何かの冗談みたいだな、そりゃ」 長門「……私も」 キョン「?」 長門「私もそうなるかもしれない」 長門の言葉を聞いて俺は愕然としたさ。 だってそうだろう?長門は最初に会ったときは感情なんてまるでない奴だって思ってたくらいだ。 まぁ、SOS団で活動をしていたら感情が少しずつ俺でも読み取れるようになったと思ったら……。 いきなり好きかもしれないと言われた俺のみにもなってくれ。 俺はそんな事をぼやきながら長門の家を後にした。 ……需要があるのかは知らない。ないなら止めます。 何だかんだで次の日、俺が古泉や長門に言われたことを脳内で反芻させながら学校へ行った。 要するに俺は1ヶ月以内に誰かに告白をしろと言うことで、周りの女子は大半が俺に好意を持っていると言うことらしいが……。 ハルヒ「キョン、遅いじゃない!」 キョン「そう言うな。俺だって朝ぐらいゆっくりとしたいんだ」 ハルヒ「ふん!まぁ良いわ。でもSOS団の活動の時はゆっくりなんてしてられないんだからね!」 キョン「分かったよ」 こんな会話をしていながら俺は長門の言っていたことを思い出した。 長門の言ったことが真実ならハルヒも俺のことを好き……なんだろう。信じたくはないが。 まぁ、俺もハルヒとSOS団で色々行動するのは嫌いでも迷惑でもないが……。 キョン「なぁ、ハルヒ」 ハルヒ「何よ、キョン」 キョン「明日、ポニーテールにしてきてくれないか?」 ハルヒ「はぁ?何で私がそんなことしなくちゃいけないのよ?」 キョン「俺の趣味みたいなもんだ」 ハルヒ「嫌よ、あの髪型にするのって結構面倒なんだから」 キョン「しょうがない、じゃあ柊(姉)か泉にでも頼んでみるか」 ハルヒ「な。何よ、そんなに見たいわけ?」 キョン「あぁ、ハルヒのポニーテール姿は以前見たっきりだからな。また見てみたいさ」 ハルヒ「……しょうがないわね」 そう言うとハルヒはすぐに髪型をポニーテールにしてしまった。 ハルヒ「こんなことはこれっきりなんだからね!他の奴らに見せるのがもったいないんだから!」 等と良いながら顔をそっぽに向けてしまったが。 心なしか顔が赤くなっていたのは気のせいだと信じたい。 ……いや、言い訳ばかりするのは止めておこう。今はこの状況をどうするべきか、それを考えるべきだな。 さて、俺はどうやら1ヶ月の間に誰かに告白をしなければいけないという無理難題に立ち向かわなければいけないわけだが……。 一体誰とそんな関係を結ぶべきか、考えているときだった。 こなた「やぁ、キョンキョン。そんな難しい顔してどしたん?」 キョン「泉か……まぁ、色々俺にも悩みはあるさ」 こなた「キョンキョンに悩み?何だか気になりますなぁ」 キョン「それより泉。相談がある」 こなた「へ?キョンキョンが相談って?それって今言った悩みと関係有るの?」 キョン「それはどうでも良い。俺が相談したいのは恋の相談だ」 こなた「……!あはは、私、やることがあるんだったなぁ!」 キョン「あ、おい!」 泉はそう言うとさっさと教室から出て行ってしまった。 さて、泉までそんな反応をされると俺はまともに喋る女子がいなくなってしまうんだが……。 そんなこんなで俺は一日を無理難題を考え続けて過ごした。 当然昼食に何を食べたかなんて覚えてないしSOS団で何をしたのかも大して覚えてない。 俺はぼーっとしながら家にのろのろと歩いていた。 あきら「何ぼーっとして歩いてるのよ?」 キョン「なんだ、あきらか……」 あきら「なんだとは何よ!」 キョン「あぁ、わるいわるい」 あきら「全く……この頃らっきーちゃんねるにも来なくなったし……」 キョン「白石に任せればいいじゃないか」 あきら「あのね!あきらはあんたに来て欲しいのよ!」 キョン「恥ずかしいことを大声で叫ぶな」 あきら「……馬鹿!」 キョン「大声で馬鹿呼ばわりするな。……ったく、ところであきら」 あきら「何よ!?」 キョン「わるかったって。機嫌を直せよ」 あきら「ふんだ、そう簡単には機嫌なんて直さないわよ」 そう言えばもしかしたらあきらも俺に好意でも持っているのか……? いや、あんまりうぬぼれるのも駄目だが……試してみるか? キョン「分かった。お詫びと言ってはなんだがあきらの命令を一つ聞いてやる」 あきら「えっ!?本当!?」 キョン「ここで嘘はつかねえよ」 あきら「……じゃあ、今度買い物につきあってよ」 キョン「買い物?」 あきら「べ、別に私一人でも何とかなるけど……そう!荷物持ちよ!荷物持ちが必要なだけだから!」 キョン「はいはい、じゃあ今度の週末な」 あきら「絶対よ!」 そう言ってあきらと別れた。それにしても……何故俺が好かれるんだ? 俺より古泉の方が女子の人気は高いと思うんだが。俺はそんな事を考えながら家に帰った。 さて、俺はあきらと別れて家に着いたら、着信音が響いた。 俺の携帯のディスプレイには古泉と表示されている。忌々しいことだが、でなければ拙いようだ。 古泉「どうも、小神さんとデートの約束をしたそうですね」 キョン「小神……?あぁ、あきらか。ってちょっと待て、何故その事を知っている?」 古泉「機関の情報収集能力を侮ってはいけませんよ」 キョン「……(まさかこの古泉もどこぞの古泉の如く……)」 古泉「何やら考え事をしているようですが、時間がありません。貴方は小神さんを選ぶのですか?」 キョン「別にそんな訳じゃない、ただ買い物の約束をしただけだ」 古泉「全く……貴方のその鈍感さにも困ったものです」 キョン「何で俺が鈍感なんだ」 古泉「何でもありませんよ」 古泉はそう言って電話を切った。 さて、古泉の妄言はともかくとして、俺もあきらとの買い物について考えることになった。 まぁ、別にそこで騒動も起こることもないだろうから大丈夫だろう……俺はそう思っていた、思っていたさ。 さて、約束の日が来た。俺はあきらとの(半ば強引に約束させられた)買い物につきあう羽目になっていた。 そんな訳で俺はいつもSOS団で集まっている駅前に集まった。 あきら「遅いわよ」 キョン「お前が早すぎるんじゃないか?」 あきら「何よ、あたしは一時間前からずっと待ってたのよ?」 キョン「何でそんなに早いんだお前は」 あきら「もう、さっさと行くわよ!」 キョン「分かったよ」 ハルヒ「キョン……確か今日は家の用事でSOS団の活動が出来ないって言ってたのにどうしているのかしら……これは尋問が必要ね……!」 朝比奈「キョン君……」 長門「……」 古泉「全く……嘘はもう少し上手くついて欲しいものですね。フォローするのも大変なんですがね」 さて、そんなこんなで俺はあきらと買い物をしているわけだ。 ぶっちゃけ内容としては他愛のないものだったさ。 ハルヒや朝比奈さん、長門や古泉と一緒に街を回るのと差はなかった。 しかし、あきらとこんな風に街を回るのは初めてだったから、新鮮さはあったと思っている。 あきら「ねぇ、キョン!」 キョン「なんだ?」 あきら「これ、あたしに似合うと思わない?」 そう言って差し出したのはペンダントだった。 あきら「ほら、どう?あたしの可愛らしさが更に引き出せると思わないぃ?」 キョン「俺に言われても困るんだが」 あきら「だからぁ……あんたの感想を聞いてるのよ!」 キョン「あぁ、そう言うことか。確かに可愛いとは思うぞ」 あきら「……キョン。あんたが買ってよ」 キョン「え?」 あきら「あんたが買って」 キョン「……分かったよ」 俺はそう言ってそれを買った。まぁ、奢るのは有る意味俺のステータスになりつつあったしな。 しかし改めて考えると嫌なステータスだな。 あきら「で、これはあんたがつけるの!」 キョン「ちょっと待て、別に俺は」 あきら「良いの!」 そう言ったあきらの首には俺が買ったペンダントと同じものがあった。 キョン「……ペアルック……?」 あきら「わるい?///」 ハルヒ「ふ~ん、キョンったらSOS団の活動をサボって良くあんな事出来るわねぇ……」 朝比奈「あの人積極的なんですねぇ……」 長門「小神あきらは彼に好意を抱いている。彼がその好意に答えるのは時間の問題」 古泉「なるほど、僕としてはこのままの状況を維持して貰いたいのですがね……」 長門「……それは駄目」 古泉「どういう意味ですか?」 長門「私が困る」 ???「やぁ、キョン。こんなところで奇遇じゃないか」 キョン「お前は……」 キョン「佐々木……どうしてお前がここにいるんだ」 佐々木「珍しい事じゃないだろう。僕とキョンは同じ街に住んでいるんだ。休日に同じところで出くわしたって珍しくない」 キョン「……」 何だかあからさまに怪しい気がするのは俺の気のせいではないな。 佐々木自身がわるい奴ではないのは俺だって知っているが、佐々木の取り巻きが俺の敵なのは十分承知しているんだ。 あきら「で、あんた誰ぇ?」 キョン「あぁ、佐々木は俺の」 佐々木「親友」 あきら「え?」 佐々木「とは言っても中学の、それも3年の時だけの話だけどね。でも僕は彼の性格はすぐに分かるし、その逆、彼も僕の性格は分かっているはずだ、そうだろう、キョン?」 キョン「そうか?お前の性格を全て分かるとは俺は思ってはないがな」 佐々木「そうかい?ならそう言うことにしておくよ」 そして佐々木はくっくと笑った。 佐々木「そう言えばキョン、僕は僕で二人きりで話したいことがあったんだ。でもデーとしているなら仕方がない。一次退散しよう。それじゃあ」 そう言って佐々木は去っていった。 全く、佐々木はこの頃俺を困らせるためだけに行動しているんじゃないか?と俺は思い始めたのだった。 キョン「全く……一体何しに来たんだよ、彼奴」 あきら「キョン」 キョン「……(まさかとは思うが、佐々木も俺のことを……)」 あきら「キョン?」 キョン「(いや、待て!彼奴は恋愛感情なんて一種の病気と思っている奴だぞ!?)」 あきら「あんた、あきらの話を聞いてるわけぇ?」 キョン「(佐々木め……後で何を考えているかきっちり話して貰わないとな……)」 あきら「ちょっと!いい加減にしなさいよ!」 キョン「うわ、いきなり大声を出してどうした?」 あきら「あんたがあきらの話を聞かないからでしょぉ!?」 キョン「分かった、わるかったよ……で、なんだ?」 あきら「その……」 キョン「?」 あきら「佐々木って人と、あんたはつきあってたりしたわけ?」 キョン「……」 ハルヒ「べ、別にあたしは気にはならないけど、団長として知っておく義務があるから、それだけよ!?」 朝比奈「キョン君って誰かとつきあってたりするんですかぁ~?」 長門「……そのような情報は該当しない……」 古泉「そうですか、なら安心ですね」 長門「……そう」 キョン「あぁ、彼奴はただの友達さ。彼奴は親友って言ってたけどな」 あきら「本当なわけぇ?」 キョン「嘘をつく必要なんてないだろ」 あきら「そう……良かった」 キョン「何か言ったか?」 あきら「べ、別に!?あ、あきらはもう帰るから!」 キョン「お、おい!?」 あきらはそう言って帰ってしまった。俺はしばしの間呆然とするしかなかった。 キョン「……やれやれ」 6-981
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2441.html
明日が、ファミレスに入り込んできた「悪魔の囁き」にとり憑かれたと思わしき人物を叩きのめした、その直後 恋路からの連絡を受けた黒服Hが駆けつけてきた もう一人…こちらは、明日の見覚えのない黒服 身長2mを超えているのではないかという高身長に加えて、がっちりとした体格の巨体 それに、顔にまるで大袈裟な手術痕のような縫い目が走っているという……まるで、フランケンシュタインの怪物を思わせる、そんな外見の黒服もやってきた 黒服Hは、目撃者の記憶消去をそちらの黒服に任せ、明日を労ってくる 「お疲れさん。タチの悪い都市伝説と契約してる奴だったみたいだからな。素早く対処してくれて助かった」 「いえ、正義の味方として当然の事ですから」 黒服Hの言葉に、即答する明日 人々に迷惑をかける存在を放っておく事なんて、明日にはできない 明日のその真っ直ぐな言葉に、黒服Hは小さく苦笑した 「流石、正義の味方だねぇ?だが、無理はすんなよ?俺みたく、適度に休みはとっておけ」 「……お前は、仕事をサボりすぎだ」 ぬぅ、と どうやら、記憶消去などの対処を終えたらしいもう一人の黒服が、明日の背後に立ち、黒服Hを睨みツk他 その威圧感に、自分が睨まれている訳でもないと言うのに、明日までプレッシャーを感じてしまう …いや 黒服Hの方は、特にプレッシャーも何も、感じてない様子で、いつも通り笑っているが 「何言ってんだよ。俺は真面目に仕事してるだろ?」 「………貴様がサボった分のツケは、全てD-No.962が背負ってしまっているのだが」 「あー。あいつは真面目すぎんだよ。もっと積極的に休みとらせとけ。また倒れるぞ」 …仕事をサボっていることを、肯定しているのか否定しているのか 曖昧な態度で笑っている黒服H 巨体の黒服は、呆れたようにため息をついた その視線が、明日と恋路に向けられて…二人は思わず、びくりと体を跳ねらせる 「…よりによって、こんな男が、君達のような真面目な人材の担当になってしまって、申し訳ない。何かあったら、いつでも言ってくれ。特に、この馬鹿が仕事をサボったならば、特に」 「あ、は…はい」 こくこく 思わず頷く、明日と恋路 巨体の黒服は二人に小さく頭を下げると、この場を後にした その背中を見送って、黒服Hが肩をすくめる 「ったく。Gの野郎も真面目すぎていけないな」 「Gさん、って言うんですか?」 「あぁ。G-No.1。俺の上司だよ」 「へぇ………って、あの態度、上司に対する態度として色々間違ってる!?」 もっともな事を突っ込む明日 気にするな、と黒服Hは笑った 所詮、「表向き」の上司だ 本来ならば、立場上は同僚である …それも、「一応」でしかないが 「ま、とりあえずご苦労さん。今日はもうゆっくり休んどけ」 そう明日に告げて…あぁ、と黒服Hは、何か想い返したように笑う 「…あぁ、それともデートの続きか?」 「あ……」 「え、Hさん。からかうように言うの、やめてくれます?」 くっく、と 明日と恋路の二人を見て、楽しげに黒服Hは笑う どう見ても、二人をからかいの対象として見ている表情だ どうにも、黒服Hは隙あらば、担当契約者である二人をからかって遊んでくるような節がある 子供扱いされているようで、明日はそれが少々苦手だ 「正義の味方の彼女なんて、恋路ちゃん、大変だろ?っつか、気が気じゃないだろ」 「そうなんですよー。いつ命の危険に直面するか心配で心配で。って言うか、実際何度か死にかけてるし」 「あぁ、やっぱりなぁ」 「っちょ、二人とも…」 ちょっと、勘弁してほしい 慌てて、楽しそうに話し出した黒服Hと恋路の間に割り込もうとする明日 …けっして、ヤキモチ焼いたとかそう言うではない、などと自分に言い訳しつつ 黒服Hは、なんともなんとも、楽しそうに笑って …そして、ふいに 真面目な表情になった 「まぁ、正義の味方に憧れる、って気持ちはわからんでもないがな」 「…Hさん?」 「なぁ」 じっと 黒服Hは、明日と恋路を見つめて、問い掛けてくる 「俺が、人間だった頃。警官目指してたって言ったら、信じるか?」 「え……-----」 「うっそだー」 どう答えるべきか、明日は一瞬、悩んだが 代わりに、恋路が容赦なく答えた 恋路の答えに、黒服Hは苦笑してくる 「うわ。ひっでぇ」 「警官になって、その立場を利用して堂々と違法AVとかをチェックしようって理由で目指したんなら、わかるけど」 「うわ。もっとひでぇ。明日、恋路ちゃんの言葉が、俺のガラスハートに容赦なく突き刺さるんだが」 「Hさんのハートは、硝子はガラスでも擦りガラスだと思います。しかも、鉄芯入りの」 「うわ、カップル揃ってひでぇ」 わざとらしく、傷ついた表情を浮かべてくる黒服H …真面目な空気が大分薄れて、いつもの調子に戻ってきている だが、その癖して…やはり、普段とはどこか違うような、そんな違和感 「これは、嘘じゃないんだぜ?昔は、マジで警官目指してたんだ」 「……マジで?」 「あぁ。親父が警察官でな。親父みたいになりたくて、餓鬼の頃から、ずっと真面目に警察官を目指してたよ」 黒服Hの意外な言葉に、明日も恋路も、目を白黒とさせる それは、普段の黒服Hから感じる印象からは、大分遠ざかる過去だ 「まぁ、その親父は殉職しちまって。途中からは、その仇討ちで目指してた、ってのもあるけどな」 ……一瞬 その表情が、暗く、沈んだのを 明日は、確かに見てしまった 「親父は、俗に言う正義の味方だったよ。誰から見てもな。それに俺は憧れた訳だが…まぁ、今の現状は、これさ」 都市伝説に飲み込まれた存在、「組織」の黒服である自分を、自嘲するように黒服Hは笑ってくる 「だからよ、明日。お前は、都市伝説に飲み込まれるなよ?お前が目指したい正義の味方、って奴を、とことん目指してみろや。ただし、恋路ちゃんに迷惑かけない程度にな」 「はぁ…」 …どうして どうして、突然、黒服Hが、こんな事を言ってきたのか? ふと思い出すのは、ファミレスで、恋路と交わしていた会話 『やばいことに巻き込まれているというよりは身体に異常が有るみたい』 そう言った、恋路の言葉 そして……以前、見た光景 明日の目の前で吐血していた、黒服Hの姿が、脳裏をよぎった あの時吐き出していた血の量は、尋常な量ではなかった 恋路の言う通り、黒服Hは、体に異常を抱えている状態なのだろう もしかしたら、命に関るのかもしれない 「あぁ、そうだ、明日」 「何です?」 そろそろ、立ち去ろうとしていたらしい黒服H が、不意に立ち止まり…こう、告げてくる 「もし、俺の身に何かあって。お前さん達の担当を続行できなくなったら…D-No.962、って黒服を頼れ」 「え?」 「あいつは穏健派だ。その上、超がつくお人好しだからな。お前さん達のことも面倒見てくれるだろ」 突然 突然、何を言い出すのだ? 先ほど、話してきた内容といい これでは、まるで 「…やめてくださいよ、縁起でもない。まるで、遺言みたいじゃないですか」 「ん?そう聞こえたか?」 振り返って、笑ってきた表情は、いつも通りの、どこかからかってくるような笑顔 だと言うのに……まるで、今すぐにでも、目の前から消えてしまいそうな、そんな錯覚を覚える 「もしもの為だよ、もしもの為。黒服なんて、どうせいつ死ぬか殺されるか消されるかわからない存在なんだしな。備えは大事だろ?」 「…そう、ですけど」 「あぁ、そうそう。D-No.962は、ぶっちゃけ「組織」内過労死候補ナンバー1な奴でな。苦労かけるのに罪悪感感じるなら、さっきのG-No.1。そっちを頼っとけ。あいつも穏健派だからな。どうにかしてくれるだろ」 ひらひらと、手を振って 黒服Hは、歩き出す 「じゃあな。頑張れよ、正義の味方候補」 明日と恋路の前から、立ち去る黒服H …いつもと変わらぬ、後ろ姿 しかし、その姿は、なぜかもう会えなくなるのでは?とそう錯覚してしまうような、そんな気配を感じてしまって 何か、不吉の足音が近づいてきているような そんな予感を、明日は感じたのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
https://w.atwiki.jp/83452/pages/17169.html
憂「お姉ちゃ~ん、朝だよ、起きて~?」 唯「んん…、後五分…」 憂「もう、遅刻しちゃうよ?」 唯「ちゅー…」 憂「?」 唯「憂がちゅーしてくれたら起きる…」 憂「えぇっ!?」 唯「ちゅー、憂の、ちゅー」 憂「ななな、何言ってるのお姉ちゃん!」 唯「ちゅーが無いと起きれないよぉ」 憂(お、お姉ちゃんにちゅーしないとお姉ちゃんは起きてくれない…) 憂(お姉ちゃんが起きてくれないと、二人揃って学校に遅刻しちゃう) 憂(そ、それじゃ、ちゅーは、しょ、しょうがないよね…!) 憂「お、お姉ちゃん!」チュッ 唯「ん…んっ!うぃ…はむ、ん…」 憂(嘘…!お姉ちゃんの舌がっ…!!) 憂「ふぁ…ん……!ぷはぁ!おおお、お姉ちゃん!?」 唯「おっはよー憂!バッチリ目が覚めたよ!」 憂「い、今、し、しっした、舌…!」 唯「下?ご飯だね!さぁ遅刻しちゃうし早く食べよ、ういー」 憂「ちちちが、あ、あうあう…」プシュー がっこう! ういたちのくらす! 梓「憂、おはよー!そして誕生日おめでとう!!」 純「あーっ、梓ずるい!私が先に言おうと思ったのに!」 梓「別に何もずるくなんてないでしょ…」 憂「……」 梓「…あれ、憂?どうしたの?」 憂「おねーちゃん…」カアッ 梓「??」 純「ていうか何で顔真っ赤で『おねーちゃん…』とか呟く!?」 憂「はぁ…」 梓「唯先輩と何かあったのかな?」 純「うーい!ういういういうーいーむしすーるーなー」 梓「取り敢えず、落ち着くまで放っておくのがいいかもね」 純「う~…とりゃあ!」 梓「純!?」 憂「!?」 もみもみもみもみ 純「ふぉお…、やーらけぇぇ…」 梓「なっななな何してるの!?」 純「いや、これなら流石に気付いてくれるかなー、と」 もみもみもみもみ 憂「んっ…!?や、やめて…」 梓(流石に反応した!) 憂「だ、だめ、お姉ちゃん、そんな、とこ、んぁ…!」 純「」 ほうかご! 梓「憂、結局一日中おかしかったね」 憂「えへへ…、おねぇちゃぁん」 純「これはもう手遅れだよ…。私達にはどうしようも無い」 梓「う、う~ん」 純「おめでとうって言っても全然反応してくれないし…」 純「もうほっといて部活に行こうか」 梓「そうだね…」 梓「はぁ。今日も唯先輩達、練習しないでお茶飲んでるんだろうなぁ」 憂「お姉ちゃんがどうしたの!?」 純「うわっ!と、突然大声出さないでよ憂!」 ぶしつ! 唯「でねー、憂ってばそこで顔真っ赤にしてー!」 紬「うんうん!それで!?」 律「相変わらず憂ちゃんの話しかしないな…」 澪「というか、ムギは良く同じ話を何回も興味津々で聞けるなぁ」 唯「よーしっ!!」 澪「うわぁ!?い、いきなり大きな声だすなよゆいぃ…」 律「一体どうしたんだ?」 唯「今日は部活おわりです!」 澪「な、なんでそーなる!?」 唯「今日はね…、なんと、なんと、憂の誕生日なんだよ!!」 律「ええっ!?そ、そうなのか?」 唯「そうなんだよ~。だから今日は早く帰って憂と一緒に過ごしたいんだ~」 澪「やっぱり、夕食は家族で何処かに食べに行くのか?」 唯「んーん。お母さんとお父さんは忙しいから、次に帰ってくる土日に家族で誕生日会するんだぁ」 律「そっかー。じゃあ今日は二人だけか。それはちょっと淋しいな…」 紬「…ねぇ、今日、憂ちゃんのお誕生日会しない?」 唯「えっ?」 律「お!ムギ、ナイスアイデア!皆でこれから買い物に行って、御馳走作ろうぜ!」 澪「うん、悪くないな。私たちも憂ちゃんにはいつもお世話になってるし」 唯「み、みんな…」 紬「ねぇ、唯ちゃん。どうかな?唯ちゃんのお家、お邪魔させて貰っちゃ、ダメ?」 唯「大歓迎だよ!憂もきっと喜んでくれると思う!みんな、ありがとね!!」 律「よっし、それじゃ梓にも連絡して…、和辺りにも声掛けてみるか!」 ういたちのくらす! ~♪~♪ 梓「あ、メール。…律先輩から?」 純「今日は部活めんどくさいからナシ~とかじゃないの?ぷぷぷ…」 梓「そうみたい」 純「はぁ!?」 梓「これ見て」 Fromりつせんぱい 梓、今日憂ちゃんの誕生日なんだけど、 ご両親居ないらしいから、急遽誕生日パーティー開くことになったんだ。 それで、サプライズしたいから、6時頃まで足止めしててくれないかな? 頼む! 純「あ、あぁ、なるほどね」 梓「というわけだから、純も参加ね。憂の足止め、手伝って」 純「良いけど、軽音部の人達に私が混ざってだいじょぶ?」 梓「純だって憂の友達でしょ。大丈夫に決まってるじゃん」 憂「二人とも、こっそりなんの話してるの?お姉ちゃんの話?お姉ちゃん可愛いよね~」 純「あ~、もうそれは十分分かったから」 梓「あのね、今日は憂の誕生日でしょ?」 憂「うん」 梓「憂にはいつもお世話になってるから、二人で憂にパフェでも奢ろうかって話してたんだよ」 憂「えっ!?」 純「えっ!?」 梓(何で純まで驚いてるの!) 純(い、いや~、今月お財布ピンチで…) 梓(はぁ、取りあえず話に乗っかって) 純(は、はひ…) 憂「嬉しいんだけど、梓ちゃん部活は?」 梓「なんか今日は律先輩と澪先輩が用事が有って、練習にならないから休みなんだって」 憂「そうなんだ…でも何だか悪いよ」 梓「いいのいいの、私たちが勝手に奢りたいだけなんだから!」 純「そ~だよ!憂に拒否権はナ~シ!」 憂「二人とも…ありがとう」ウルウル 純・梓(可愛い…) 純「それじゃあファミレスでもいこっか」 憂「あ、待って。その前に買い物していっても良いかな?」 梓「買い物?」 憂「うん、夕方のタイムセールがあって」 憂「それに家の冷蔵庫に何も無かったから食材も買わなきゃ…」 純「主婦かアンタは!」 梓「ふふっ、まぁ良いよ。じゃあファミレス行く前にスーパー寄って行こうか」 ふたたびぶしつ! 紬「それで、憂ちゃんの誕生日だから、唯ちゃんがご飯を手作りするのなんてどうかな!?」 紬「きっと憂ちゃん感動して… 憂『お、お姉ちゃん、これ、一体どうしたの…!?』 唯『えへへ、いつも憂には色々お世話になってるから』 唯『今日くらいはと思って、私が作ってみたんだよ!』 憂『っ、お姉ちゃん…!!』 唯『あんまり美味しくないかも知れないけど…一緒に食べてくれたら嬉しいな?』 憂『…お姉ちゃん、先にデザートから食べても良いかな…?』 唯『へ?デザート?ケーキを先に食べるの…っ!?う、憂!?』 憂『ごめんねっ!お姉ちゃんが愛おしすぎてもう我慢できないの!!』 唯『あ、ういっ、そんな、ダメ、あっ…』 紬「なななななんてコトに!?」 唯「ええ、えええぇ」カァァァ 律「ムギ、落ち着け…。ていうかそもそもその席には私たちも居る筈だからな…?」 澪「唯、顔真っ赤…」 唯「…良い」 紬「え?何、唯ちゃん?」 唯「ムギちゃん、それ、すっごく良い!!」 紬「唯ちゃんもそう思う!?」 唯「うん!最高だよ!善は急げ、早速ご飯作るために買い物行こう!!」 紬「行こ~♪」 澪「大丈夫かな、色々…」 律「はは、ま、楽しそうだしいいんじゃないの」 すーぱー! 憂「梓ちゃ~ん!」 梓「あっ、憂、どうだった?」 憂「えへへ~、バッチリ!卵買えたよ~♪」 梓「おぉ、良かったね!」 憂「あれ?純ちゃんは一緒じゃないの?」 梓「あ~、分かんない。一人でどっか行っちゃった」 憂「あはは、じゃあ他の買い物ついでに探そっか」 梓「全く純たらもう…」 ――― 唯「着いたぞ~!」 紬「着いたぞ~♪」 澪「はぁ、はぁ、何も走ってくることなかっただろ…」 律「何でそんな二人とも元気なんだよ…」 唯「私の憂への愛が成せるワザです!」フンス ――― 梓「他には何買うの?」 憂「えっと…朝食のパンとか、野菜とか?」 梓「なるほどね~、それにしても憂もいつも大変だねぇ」 憂「何が?」 梓「いつもご飯とか作ってるし、家事とかさ、色々だよ」 憂「ん~…別に大変だとは思わないけどなぁ」 梓「でもさ、毎日ご飯作るの疲れるでしょ?」 憂「お姉ちゃんがいつも『憂のご飯は世界一だねぇ』って言ってくれるから」 憂「それだけでご飯作る疲れなんて吹っ飛んじゃうよ?」 梓「ほへ…筋金入りのお姉ちゃん好きだね…」 ――― 唯「ん~、何作れば良いかなぁ」 澪「ちらし寿司とかは?」 律「お、いいねぇ。からあげとかもどうよ~」 唯「ふむふむ」 紬「あ、ケーキも買ってかなきゃだね!」 唯「あっ、そうだよね!」 ――― 梓(…?なんか唯先輩の声が聞こえた気が) 憂「梓ちゃん、どうしたの?」 梓「う、ううん、何でもないよ!」 純「あっ、2人ともいたいた~。何処行ってたのもう!」 梓「それはこっちセリフだよ…って、何でそんなに大量のお茶持ってるの?」 純「え?あぁ、これ、付属のおまけが欲しくてね」 憂「おまけ?」 純「そうそう、最近流行ってるアニメのキャラのストラップが付いてくるんだ~。全種類揃えたくてね」 梓「あんたお金無いんじゃなかったの…」 純「いやぁ、まぁ、それとこれとは別?みたいなね?」 梓「はぁ」 純「そ、そんなことよりさ、買い物はもう良いの?」 憂「うん、後はレジでお会計するだけだよ」 純「そっか!じゃあ早く済ませちゃお!」 2
https://w.atwiki.jp/wixi/pages/853.html
男「俺のために毎朝みそ汁を作ってくれ!」 女「キュン!」 男「と、これは日本の伝統的なプロポーズです」 女「……………え?あ、うん、そうだね。うん。わかるわかる。わかってるからねわたし」 男「何を慌てているのか知らんが、しかし今日びこんな台詞は時代遅れだと思うんだ」 女「というと?」 男「朝飯にめざしが出てきたような時代ならともかく、現代において朝飯が和食とは限らないだろ」 女「昨日の残り物のカレーとか?」 男「朝飯のチョイスとしてはちと重いが……まぁ、そうだな。洋食派の人もいるわけだし」 女「あー」 男「パン。牛乳。ベーコンエッグ。サラダ。みそ汁。ヨーグルト」 女「軽いドメスティックバイオレンスだね」 男「だろ?」 女「なるほど……じゃあ、コーンスープ……とか?」 男「俺のために毎朝コーンスープを作ってくれ!」 女「……レ、レトルトのやつなら……なんとか」 男「失敗だな」 女「失敗だね」 男「じゃあ、何だろう」 女「子供とか」 男「俺のために毎朝子供を作ってくれ!」 女「朝からですか!?お盛ん!」 男「……普通に、毎朝朝食を作ってくれ、でいいんじゃね?」 女「あ」 新ジャンル「プロポーズ」
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/216.html
虹色蝶々 虹色蝶々 アーティスト 神谷浩史 発売日 2011年4月6日 レーベル Kiramune デイリー最高順位 1位(2011年4月6日) 週間最高順位 1位(2011年4月12日) 月間最高順位 6位(2011年4月) 年間最高順位 75位(2011年) 初動売上 15373 累計売上 19005 週間1位 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 虹色蝶々 2 Spring moment 3 ハッピーアワー ランキング 週 月日 順位 変動 週/月間枚数 累計枚数 1 4/12 1 新 15373 15373 2 4/19 4 ↓ 1907 17280 3 4/26 16 ↓ 653 17933 4 5/3 ↓ 547 18480 2011年4月 6 新 18480 18480 5 5/10 525 19005 関連CD For myself Stories
https://w.atwiki.jp/83452/pages/1511.html
律「えっと、私は誰の旦那様なんだ?」 唯・紬・梓「澪ちゃん!(先輩!)」 律「あーあー。なるほど、そういうことかww」 澪「お前もつっこめ!」 ガツンッ 律「あだっ!・・・いってぇー!」 唯「これは亭主関白なの?カカア天下なの?どっち、ムギちゃん!?」 紬「はぁはぁ」 唯「聞こえてないや。」 律「で、曲の方はどんな感じ?いい感じ?」 紬「えぇ、あとはCメロが出来れば完成ってところかしら。もちろん、 ドラムはりっちゃんに任せようと思ってたからノータッチだけど。」 律「そっか!早く聴きたいなー!そうだ、出来てるところまで聴かせてくれよ!」 梓「それはできません。」 律「なんでwwwwwwww」 澪「ちゃんと完成したら聴かせるから、な?」 律「むー、嫁が言うならしょうがないな!」 澪「その話をひっぱるな!」 ゴチンッ 律「~~~!」 唯「今のはかなり痛そうだね!」 紬「ぶしゅあぁぁ・・・」 唯「・・・ムギちゃん、服に鼻血ついてるから後で拭きなよ?」 澪「それで、調子はどうだ?」 律「余裕のよっちゃんだぜ!」 澪「強がるなよ。」 律「あう。うーん・・・難しいけど、多分なんとかなるってところかな。」 梓「やっぱり、音を合わせるの、難しいですか?」 律「そうなんだよなー・・・。」 私は話した。 走ってしまうこと。音が一つにならないこと。吹さんと話したこと。その内容。 てっきり心配されるかと思っていたが、何故かみんなの表情は納得した時のもの、そのものだった。 紬「やっぱり・・・。」 律「やっぱりってなんだよ、もしかしてここまでお見通しだったとか?」 梓「まぁ律先輩の走り癖を理解していれば想像は容易いですよ。」 律「にゃんだとー!このっ!」ぐりぐり 梓「痛いっ痛いですよー。・・・でも、その様子だと・・・。」 紬「出口、見つけたみたいね。」 律「・・・あぁ。吹さんのアドバイスでなんとなく、わかった気がするからな。」 澪「結局、ジャンルとか形態に囚われずに、音楽すればいいだけなのかもな。」 律「あぁ、私もそう思う。」 唯「りっちゃん!」 律「なんだ?唯。」 唯「りっちゃんなら出来る!」 律「おう!あたぼーよ!」 次の日~合奏~ ♪ ♪ ♪ ♪ 律「(ここら辺だ。ここら辺でいつもズレ始めるんだ。この間の合奏でもそれはわかっていた。 だから私はリズムが狂わないように吹先輩の手の動きに集中したんだ。)」 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ 律「(それが逆効果だった。この間の私とは一味違うぜ。)」ニカッ 吹「(そう!私の動きに合わせようとしないで。私とあなたのリズムを共有するのよ・・・!)」ニコッ ♪。 律「」 吹「」 律「(やべぇー!!リズムど忘れした!)」 吹「(ちょwwwwここで止まるとかwwwwwww)」 律「(うわー・・・。やべぇ!合わせる以前の問題だぜ!! どこだ!今みんなはどこを演奏している!? ここか?いや、違うかも。リピートは終わってるからこっちに飛んだハズ・・・。 いや、ちょっと待て。やっぱりまだリピートまでいってないかも。 どこを演奏すればいいんだ!? …。 ちきしょー!!!入れねぇー!!!!!!)」 吹「(この調子だと、次の楽章まで入ってこれなさそうね・・・。)」 奏・楽「(・・・りっちゃん、頑張れw)」 帰りのミーティング! 吹「・・・というわけで、明日は今日と同じスケジュールで動いてね。それでは、今日は解散!」 一同「お疲れ様でしたー!」 楽「奏ちゃん、帰ろっか。」 奏「うん。・・・あの、りっちゃん・・・?」 律「燃え尽きたぜ、真っ白によぉ・・・。」 吹「全く、途中まではとてもいい感じだったのに・・・。」 律「うー・・・ごめんなさい。」 奏「でも、りっちゃんの演奏、変わってきたよね。」 楽「うん、この間の合奏よりも合わせやすかったよ!・・・途中までは。」 律「あぁぁぁぁ・・・orzまさかあそこでリズムパターンすっ飛ぶとは・・・。全部覚えたハズなのに・・・!」 奏「でもわかるよ。そういうときのために楽譜があるのに、焦ってどこやってるかわからなくなったりするんだよね。」 律「あぁ、まさにその通りだったぜ・・・。ちきしょー。」 吹「でも、意識が変わったのは伝わってきたわ。私の話、本当の意味で理解してくれたみたいで嬉しかったわ。 時間はないけど、焦らないでね。明日もその調子で頑張って。期待してるわ。」 律「はい!よっしゃー!頑張るぜ!」 最近は本番が近いから毎日合奏だ。 次の日も、そのまた次の日も。 上手く行ったり、行かなかったり。 一筋縄でいかないのはわかってる、だから時間さえあれば練習してる。 元々練習はあまり好きじゃないけどな!ww 忘れたとか、覚えてるとかじゃなくて。 何も考えなくても体が勝手に動いてくれるまで、私は体に曲を沁み込ませようとした。 練習でそれくらいできないと、本番じゃ通用しない。 吹さんがとりあえず楽譜を丸暗記しろと言った意味、今ならそれが痛いくらいにわかる。 そのおかげか、少しずつ譜面に書かれたことを淡々と叩くだけじゃない、 『私が本当にやりたい演奏』に近づいている・・・気がする。 スネア奏者として演奏するのはこれが始めてだから、凄く漠然としたものだけど。 それでもやっと、おぼろげに輪郭が見え始めてきたんだ。 どんなジャンルだろうと、編成だろうと・・・関係ないぜ。 みんなと楽しくやりたい。 そんな思いが日増しに強くなる。 丁度、夏の天辺。 本番は翌日に迫っていた。 律「本番、明日か。」 私は意味もなく赤い空を見上げて呟いた。 隣では澪が心配そうに私を見つめている。 澪「律・・・いよいよ明日だな。」 律「あぁ・・・。」 澪「楽しみにしてるからな。」 律「おう、みとけよー?」 私は本心を言っているだけかもしれない。 明日が楽しみなのかもしれない。 私は強がっているのかもしれない。 明日が怖くて逃げ出したいのかもしれない。 『しれない』ばっかだ。・・・ここまで考えても私は自分の感情の中心がわからない。 私は・・・ 律「正直さ、色んな思いがぐちゃぐちゃになってよくわかんねぇや。」 澪「あぁ。・・・わかるよ。私もライブの前日はいつもそうだ。」 律「澪の場合は当日もそうだろー?www」 澪「バカww言うなwww」 律「なんでかなー、ライブの前日は『よっしゃ!』って感じなのに。」 澪「そりゃ、ライブじゃないからなぁ。」 律「まぁそうなんだけどさ、ちょっと不思議。」 澪「・・・きっと、律は色んな人の想いを知っているからだと思う。」 律「へ?」 澪「吹さん、トランペット諦めてみんなのために指揮者やってるんだろ? 奏さんは出たくてしょうがないけど、怪我をしてるから律に自分のパートを委ねざるを得ない。 楽さんだって・・・帰ろうとする律を引きとめた時、相当思いつめていたと思うぞ。」 律「・・・。」 澪「そんな色んな想いを律は一心に背負ってるんだ、いつもと違うのは当たり前だよ。」 律「そう、だな。」 澪「言ったろ?律は優しいって。」 律「あぁ、言ってたな。」 澪「やっぱり私は正しかったな。」 律「う・・・うるへー!」 澪「何怒ってんだよww」 律「いーの!はい、その話はおしまい!」 澪「照れてるんだ?ww」 律「あーもー、そうだよ悪いかほっとけ!」 澪「あはははwwそーいや今日唯がさ・・・ 律「え、マジかよ!ww」 澪「ホントホント!」 律「(・・・澪、サンキューな。)」 本番!~10分前~ 私たちは今、舞台袖にいる。 プログラムは順調に消化されていて、ちょうど私たちの1つ前の学校が演奏を始めたところだった。 吹「今までの練習の成果を出し切るのよ。いつも通り演奏すれば大丈夫。」 みんな吹さんの小声に耳を傾ける。 2つ前の学校が演奏していたときはみんな『今ちょっとピッチずれたね』だとか 『この学校のホルン、上手いなぁ』なんて言い合う余裕があったみたいだが・・・。 出番が近づくたびにそんな強がり、誰も言わなくなった。 10分前後の演奏時間に自分達の夏をかけるんだ、みんな緊張してるんだろう。 吹「田井中さん。結局、通しでは上手く息を合わせられなかったけど・・・。私、あなたを信じているから。」 律「・・・はい。」 私だって信じているさ。 軽音部のみんなと同じように、吹さんを。楽を。吹奏楽のみんなを。 奏だって客席で見守ってくれているんだ、きっと大丈夫。 律「吹さん。・・・私、吹さんのこと、最初は大っ嫌いでした。」 吹「ふふふ。奇遇ね、私もよ。あなたが大嫌いだったわ。」 律「でも、今は違います。一緒に音楽ができて、本当によかった。感謝してます。」 吹「ふふふ。奇遇ね。」 吹「私もよ。」 その時だった。拍手が聴こえる。 前の学校の演奏が終わったみたいだ。 ステージの幕が下りる。 吹「みんな、行くわよ!」(小声) 一同「おー!」(小声) 楽器の搬入が始まる。 運搬係の人が手伝ってくれる。 こんな状況なのに、慣れた手つきだな、なんて関心してしまう。 楽器の搬入が終わり、私はスネアの前に立った。 みんなも持ち場についたみたいだ。 吹さんが裏方のおっちゃんにアイコンタクトで準備完了を知らせる。 ブザーと共に、ゆっくりと幕が上がった。 華やかで、それでいて荘厳なファンファーレ。 ホールを揺らす金管楽器のフォルテッシモ。 小鳥の囀りのような軽やかなフルートのトリル。 爽やかでいて、尚且つ目の覚めるような音のシンバルがアクセントで入ってくる。 みんな、落ち着けよ。 吹さんだって言ってたろ?いつも通りの演奏をしろってさ。 なのに・・・これじゃ、いつも以上の演奏じゃないか。 私は私でロールを刻む。 これも吹奏楽の練習に参加するようになって出来るようになった奏法の一つだった。 そしてティンパニーもスネアと同じようにシングルストローク独特の心地よいロールを響かせる。 この演奏が聴いてる人の心にも響けばいいのにな、なんつって。 ♪~♪~ ♪~~~♪~ ♪~~♪~~ ここまでは完璧。むしろ実力以上かもしれない。 中盤を終え、曲はフィナーレへと向かう。 あと4小節でこの楽章も終わる。 そしていよいよ最終楽章、アタマから私のソロだ。 一瞬、ホールが静寂に包まれる。 私と吹さんはせーので最終楽章へと切り出した。 律「(よっしゃ、やってやるぜ・・・!)」 音楽室とは音響がまるで違う。当たり前だと思うけど、音の一つ一つが綺麗に響く。 小さな音だからと言って手を抜くことは許されない。 ホールでのソロは、知り合いが一人もいない寂しい世界のようだ。 誰も私を助けてくれないなんて下らない妄想が頭を過ぎる。 スティックを振り下ろす度、音と言う名の責任が私にプレッシャーをかける。 それでも私は吹さんの指揮と共に曲を進めていく。 広いホールの海で迷子にならないように、私達は目を合わせた。 あぁ、やばい。 これはやばい、かなり上出来だぜ。 ドラッグとアクセントの入り組んだめんどくさい、ソロ最後の小節。 初めて楽譜を見た時は叩ける希望なんて1mmもなかったけど、 逆に今の私には間違える不安なんて微塵もなかった。 タタスタスタンタン! ソロが終わった瞬間、吹さんは確かに笑った。 私のソロが終わったと同時にみんなが入ってくる。 あとはフィナーレへ突っ走るだけ。 みんな死ぬほど息を吐け。そんで吸え。 一瞬音が鳴り止む。 そこから最後の8小節はグランディオーソ。 厳かに、威風堂々と行こうぜ。 残り4小節 吹さんは最高に気持ち良さそうだった。 残り3小節 客席にいる澪と目が合った気がした。 残り2小節 普段おっとりしてる楽のヤツも、このときばかりはかっこよかった。 残り1小節・・・・・ 律「」 吹「」 楽「」 一同「」 6
https://w.atwiki.jp/legends/pages/5254.html
握ってきた手は、暖かった すがるものを求めるように、こちらの手をつかんできた小さな手 ぬくもりなど存在しないこの手をつかんでくるなど愚かしいと感じた 振り払うのも、面倒で放置したら、結局、目を覚ますまで放してこなかった 目を覚ました瞬間に「冷たい」と文句を言ってきた 知るか、自業自得だ 「クロ兄」 その呼び方を止めろ 無視して目を閉じると、のし、と俺の体の上に座ってきた 重たい、やめろ 「なぁ、クロ兄。この城の風呂の温泉、クロ兄が沸かしたって、本当か?」 「………誰から聞きやがった」 「マルファスとハルファスから」 あの鳥共 今度、羽をむしってやろうか 「…沸かしたんじゃない。見つけたんだ」 「見つけた?」 俺に乗ったまま首をかしげるな まずは、降りろ 「クロ兄の能力って、氷雪系じゃなかったか?」 「水も、俺の能力圏内だ。洪水を起こす、大波を鎮める、どちらも可能だ」 ……いい加減、重たい 首根っこつかんで、傍らに卸す 「……そして。源泉を見つけ出す。それも俺の能力だ」 「…源泉………眠れる才能の暗喩、か?」 「聴いてばかりいないで、自分で考えて判断しろ」 ……正解だ 人間の才能を発掘するのも、俺の能力の一つ 面倒だから、ほとんど使った事はないが 「もう聞くことはないだろ?さっさと消えろ」 「やだ。遊ぼう」 圧し掛かるな、重い 何故、この子供は俺に懐くんだ 「坊やを好いている悪魔共と遊んでくりゃいいだろうが」 「やだ、クロ兄がいい」 鬱陶しい さっさと、どこかに行ってしまえ 諦めずに呼びかけてくる声を無視して、目を閉じる 不満そうな声をだし、だが、子供は離れない 馬鹿な子供だ 他の悪魔に愛されているのだから、そちらとだけ行動すればいいだろうに あぁ、馬鹿で、愚かだ (……だから、こそ) あの馬鹿な悪魔達は、この子供を愛おしく感じるとでも言うのか? いつの間に眠っていたのか この街で活動する間の拠点内の、テレビが置いてあるリビングルーム 餓鬼共に付き合わされて、ソファーに座ってテレビを見ていたはずだったのだが テレビは消されていて、部屋の明かりも消えている 時計を見れば、そろそろ日付が変わる時刻だ 部屋に戻ろうと立ち上がると同時に、扉が開いた …カイザーが、少し驚いた表情でこちらを見てくる 「…あぁ、目を覚ましましたか」 「餓鬼共は?」 「先ほど、寝かしつけましたよ」 ため息をついてくるカイザーに、そうか、と短く答えた 相変わらず、ご苦労なこった 「ご苦労さん。そろそろ、目標の居場所は絞り込めてきているんだ………体調は整えておけよ?お前には、重要な役割があるんだからな?」 「………わかっています」 俯いて答えてくる声 迷いがにじみ出ているのを感じる あぁ、そうだ、迷え そして、こちらに堕ちてきてしまえ 「……わかっているな?エイブラハム様の言葉は、絶対だ」 「……………わかって、います」 「その時がきたら、お前は役割に集中しろ。餓鬼相手に手助けしようとは思うなよ?あいつらがこの任務でどうなろうと、自己責任なんだからな」 こちらの言葉に、カイザーの体が小さくはねた 睨みあげてくる視線 まだあきらめず、反抗してくるから いい加減、諦めてしまえ 「何だよ」 「…っあなたは……あの子達を相手に、情を感じてはいないのですか?」 「……はぁ?」 何を馬鹿を言っているんだ、こいつは こちらの正体を知っているくせに 「俺は、餓鬼は嫌いだよ」 鋭く睨み付けてくる視線を無視して、部屋を出る あいつがどう反抗しようが、もう遅い 俺とエイブラハム様に、あいつは逆らうことなどできないのだから、放置しても構うまい 「………あぁ、そうだ、餓鬼なんて嫌いだよ」 この氷の悪魔に、子供の暖かさなど不要なのだ 悪魔は悪魔らしく、ぬくもりとは無縁に生きる ただ、それだけだ to be … ? naviで指定しているページは存在しません